2008/06/27 22:15 [Fri] category: Book 久保田麻琴さんのCDを書いたので・・・
岩波新書初のCD付。前半は文字通り久保田氏の音楽旅日記。(雑誌『ラティーナ』掲載を大幅加筆)。後半は田中勝則氏がインタビューで久保田氏の音のルーツに迫る。
前半は個人的に各地域の音楽知識が乏しいこともあり固有名詞につまづいて読み辛かったが、後半のインタビューは面白かった。もちろん音楽の話だけど、文化・芸能伝播のバリエーションをどう見るかという視点で読んでも楽しい。以前の記事(ダンドゥット★CD006)で書いたエルフィ・スカエシのアルバム作成時のエピソードも。
ところで・・・
私のこういった音楽との特殊な出会いを知った前任担当者が考え出した”音の錬金術師”というサブ・タイトル。人との偶然を超えた出会い方のみならず、和声から旋律をひねりだすといういわゆる職業音楽家的な作曲方法とは違う、多分に無意識的な私の音楽制作方法、つまりリズムと音の響きの組み合わせから、むしろ音の道を自然に浮かび上がらせるという作・編曲の手法からもその言葉、”錬金術師”は適切なものだったかもしれない。・・・(あとがきより)
確かに、インタビューを読むと、氏のどんな音楽との出会い方も特殊に映るが、常に柔軟なスタンスであれば、むしろ氏の出会い方の方は自然。発信にも「誇大妄想的ホラが混じる」と自身でも言うが、それを受け入れない(受け入れることができない)土壌も問題と思う。
本書にも出てくる久保田氏関連映像YouTube上にもたくさんあるが、とりあえずチャンプルーDKI
Kopi Dangdut/Campur DKI
以下本書目次。
第1部 旅する錬金術師 1 ブラジルのアフリカ/ブラジルのヨーロッパ――レシーフェのカルナヴァル 2 天然トランスは世界を魅惑する――モロッコのグナワ・フェスティバル 3 ワールド・ミュージックの交差点――WOMAD in シンガポール、スリランカ2005
第2部 ただごとではない音楽を求めて――聞き手 田中勝則 アジアのプロジェクトはどうスタートしたか/曲のよさから入る/ロックの頃/もっとディープなロック、ブルース、アメリカへ/ハワイ、沖縄、アジアの入り口/ロックの終わりのころ/インドネシア、シンガポール/「濃い」日本の歌謡曲の力/イージー・リスニングのソウル/マルチ・ルーツな古層はただごとでない/歴史の文化の要素のケミストリー/混交する芸能のセンター・オブ・エイジア、シンガポール
しかしながら、久保田麻琴を知らず、新書という装丁とタイトルから、ワールドミュージックを手っ取り早く総覧できる本、あるいは民族音楽学系の本と思って買った人にはこれまた酷評必至(アマゾンで一部酷評)。 錬金術師と名づけたり、キャッチーで売らんかなのタイトルは著者の本意ではなさそうで気の毒。 タグ : 久保田麻琴 ワールドミュージック
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