2008/07/05 21:42 [Sat] category: Book 先に書いた『賭ける魂』 (講談社現代新書 1942) で植島啓司氏は、ギャンブルでも日本人は負けを極端に恐れる国民性があり、人生においても「一度レールを外れたら二度とまともな生活に戻れない」という強迫観念がだれの心をも支配していると言う。続けて
1950年代から60年代は、ほとんどの人々がまだ貧しいままだった。しかし、それでもどこかに希望を抱いていた。ところが、1990年代から現在に至るあいだ、それ以前と比較したら飛躍的に豊かになったにもかかわらず、多くの人々の心は病んでしまっている。それではいったいわれわれはどうしたらいいのだろう。いまだ処方箋はみつかっていない。ただ、そのためにできる簡単な方法がひとつある。旅をすることだ。 (中略) 自分をマイナスの状態におかない限り、何も外側からは入ってはこない。虚勢を張ってはいけない。いつも満ち足りている自分を標準だと思ってはいけない。失って得られるものは大きいのだ。旅をするというのも自分のステータスをいったん手放すということである。入院するというのも単に悪いことばかりではない。・・・(『賭ける魂』より)
久しぶりに少々厄介な迷いを抱えてしまい、無性に旅に出たい心境。できれば下田昌克さんの『PRIVATE WORLD』のような旅がいいなぁ(笑)。
中国、チベット、ネパール、インド、ヨーロッパとスケッチブックを片手に3年間、いきあたりばったりの旅日記。内容はもちろん、出版化の過程もとてもデリケートに作られたことが伝わってくるステキな本です。
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